GUIDELINES FOR PRICE NEGOTIATION
労務費の適切な転嫁のための
価格交渉に関する指針

(1) 発注者としての行動
行動➀:経営トップの関与
「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を制定し、社内外に示すとともに、定期的に労務費の上昇状況を確認し、必要に応じて対応方針を示します。
行動②:発注者側からの定期的な協議の実施
受注者から労務費の上昇分に係る取引価格の引上げを求められていなくても、業界の慣行に応じて1年に1回や半年に1回など定期的に労務費の転嫁について発注者から協議の場を設けます。
特に長年価格が据え置かれてきた取引や、スポット取引と称して長年同じ価格で更新されているような取引においては、転嫁について協議が必要であることに留意します。
行動③:説明・資料を求める場合は公表資料とする
労務費上昇の理由の説明や根拠資料の提出を受注者に求める場合は、公表資料(最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率など)に基づくものとし、受注者が公表資料を用いて提示して希望する価格については、これを合理的な根拠があるものとして尊重します。
行動④:サプライチェーン全体での適切な価格転嫁を行う
労務費をはじめとする価格転嫁に係る交渉においては、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁による適正な価格設定を行うため、直接の取引先である受注者がその先の取引先との取引価格を適正化すべき立場にいることを常に意識して、そのことを受注者からの要請額の妥当性の判断に反映させます。
行動⑤:要請があれば協議のテーブルにつく
受注者から労務費の上昇を理由に取引価格の引き上げを求められた場合には、妥当性を考慮し、協議のテーブルにつきます。労務費の転嫁を求められたことを理由として、取引を停止するなど不利益な取扱はしません。
行動⑥:必要に応じ考え方を提案する
受注者からの申入れ内容の妥当性を考慮し受注者と協議を行い、必要に応じ労務費上昇分の価格転嫁に係る考え方を提案します。
(2) 受注者としての行動
行動①:相談窓口の活用
労務費上昇分の価格転嫁の交渉の仕方について、国・地方公共団体の相談窓口、中小企業の支援機関(全国の商工会議所・商工会等)の相談窓口などに相談するなどして積極的に情報を収集して交渉に臨みます。
行動②:根拠とする資料
発注者との価格交渉において使用する労務費の上昇傾向を示す根拠資料としては、最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率などの公表資料を用います。
行動③:値上げ要請のタイミング
労務費上昇分の価格転嫁の交渉は、業界の慣行に応じて1 年に1 回や半年に1回などの定期的に行われる発注者との価格交渉のタイミング、業界の定期的な価格交渉の時期など受注者が価格交渉を申し出しやすいタイミング、発注者の業務の繁忙期など受注者の交渉力が比較的優位なタイミングなどの機会を活用します。
行動④:発注者から価格を提示されるのを待たずに自ら希望する額を提示
発注者から価格を提示されるのを待たずに受注者側からも希望する価格を発注者に提示します。発注者に提示する価格の設定においては、自社の労務費だけでなく、自社の発注先やその先の取引先における労務費も考慮します。
(3)発注者・受注者の双方が採るべき行動
行動①:定期的なコミュニケーション
定期的にコミュニケーションをとります。
行動②:交渉記録の作成、発注者と受注者の双方での保管
価格交渉の記録(見積書)を作成し、発注者と受注者と双方で保管することとします。
以上
2025 年4月1日
東和電気工事株式会社
取締役社長 𠮷永栄一